コラム

体温を記録・管理するツールは、表計算ソフト?アプリ?効率よく管理できるツールを紹介

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職場での検温履歴管理の方法はさまざまです。表計算ソフトやアプリを使う、紙で管理する、最近ではチャットツールやグループウェアで管理しているケースもあります。

その時に重要なことはどのようなことでしょうか。体温管理にかかる労力をできるだけ省力化しつつ、記録ミスを減らし、体温測定時に列を作って密になることがないようにしなければいけません。今回は体温管理の最適な手法をケーススタディから見てみましょう。

適切な体温管理の重要性とは

withコロナの時代における、適切な体温管理の重要性とは何でしょうか。詳しく説明します。

体温管理の目的

体温を管理する目的は、「適切に検温結果の入力・管理をすること」「データをさかのぼって、体調不良者との接触があった者を特定できるようにすること」です。万が一の時にはスピーディにかつ容易に接触者を特定できなければ対応が遅れてしまいます。

適切な体温の管理は、従業員が安心して働ける環境作り・企業側が人的リソースの損失を最小限に抑えられる環境作りにつながります。

体温管理の重要性

新型コロナウイルスは、発症の2日前から他の人に感染させる可能性があるとされています※1。万が一社内に新型コロナの陽性者が出た場合は、2日前までさかのぼって濃厚接触者を特定※2しなければクラスターにもなりかねません。そのため、個人の適切な体温管理は欠かせないのです。

※1 厚生労働省「新型コロナに関するQ&A(一般の方向け)
※2 厚生労働省「新型コロナウイルス最前線

体温の管理方法は?表計算ソフト・アプリ・温度検知ソリューション、それぞれのメリット

それでは、体温管理の方法には何があるのでしょうか。ここでは、表計算ソフト・アプリ・温度検知ソリューションのメリットとデメリットを詳しく紹介します。

オフィスに入る前に検温して手書き記入後、表計算ソフトで管理

出社時に手書きで体温を記入し、その後表計算ソフトで体温を管理している会社も多いことでしょう。手書きで体温を記入するメリットは、特別な装置が必要なくコストがかからないことです。

ただし、その数値をその後パソコン上で管理する場合、手書きの紙を表計算ソフトに入力する必要があるため、専用の人員が必要になることがデメリットです。また、そもそも入力ミスや記入ミスなど、正確なデータ管理における人的ミスが起きるリスクも考えられるでしょう。

メールやアプリで記録・管理

手書きのように体温管理に人員を割く必要がないのが、メールやアプリで管理する方法です。メールやアプリで記録や管理をするメリットは、結果を入力するだけのため手間がかからないことです。また、報告のタイミングや場所を問わないため、リモート勤務でも自宅から簡単に上司に体温を報告できます。

ただし、自己申告のため正確な体温か分からないこと、徹底した報告実施が自己管理に委ねられていることがデメリットです。

温度検知ソリューションで温度記録・管理

おすすめの方法は「非接触で検温・データ取得可能な温度検知ソリューションを導入すること」です。非接触で衛生的なことはもちろん、精度が高い製品を選べば測定時間も短いため、出社の際に活用することで列を作って密になることなく検温できます。

測定時のデータ取得・データ管理ができるソリューションを導入すれば、個人との情報紐付けやデータの自動記録も可能です。効率的に体温管理が実施できるでしょう。測定時刻も履歴として管理できるため、万が一記録をさかのぼって確認が必要な際にも、接触者の特定に時間がかかりません。

この方法のデメリットを挙げるとすれば、他の方法に比べソリューション導入のための費用がかかることでしょう。ただ、他の方法では正確なデータ管理ミスが起きるリスクや、人的コストを割かなければならないことを考えると、費用対効果は十分に得られるのではないでしょうか。

体温管理ケーススタディ‐それぞれの検温データ管理パターン‐

表計算ソフト、アプリと温度測定ソリューションの説明をしましたが、それぞれの方法で体温管理をした場合、どのようなことが起こりうるのでしょうか。ケーススタディで見てみましょう。

サーモグラフィーカメラと専用アプリで記録の管理を行っていたA社の場合

出社時にサーモグラフィーカメラで温度検知、その結果を顔認証で個人特定し自動で専用のアプリに記録する手段を取っていたA社。
オフィスに100人以上が働く環境ですが、サーモグラフィーカメラでの高速な温度検知、自動記録によって出社時の混雑は生じていません。
A社では取引先に感染者が発生。連絡を受け、その取引先の担当者に検査を受けさせたところ、陽性反応が出てしまいました。その担当者は即座に治療、自宅待機となり、社内でその担当者と濃厚接触した者の特定を実施しました。
記録されたデータには出退勤時刻も履歴化されているため、同時間帯に同じ場所にいた者が容易に特定できました。これに加えて社内でのヒアリングとグループウェアの履歴確認を実施し、濃厚接触者に自宅待機の対応を素早く取ることができました。
幸い、社内で新たな感染者は出ませんでしたが、すぐに濃厚接触者を特定できたことで社内でも安心感が広がりました。

サーモグラフィーカメラ(温度検知ソリューション)と管理アプリを使用してる場合は、管理アプリから履歴を追うことができます。濃厚接触者を容易に特定でき、より安全な職場環境作りを実現できるでしょう。

紙ベースで記録。表計算ソフトに転記して記録表を管理していたB社の場合

B社では、入り口に体温計が置かれており、各自が検温し、その場で紙の名簿に検温結果を書き込んでいました。さらに、担当者が検温現場を確認し、紙に書かれた検温結果を、表計算ソフトに転記するという対応を行っていました。
検温を担当する部署からは、「検温のために朝早く出社し、複数人で対応しなければならない」「検温結果の入力に時間が取られてしまう」という意見が出ていました。従業員からも「出社時の検温で列ができてしまっている」と苦情が出ていました。
そんなB社で発熱者が発生、すぐに保健所に連絡、検査を行ったところ、陽性反応が出てしまいました。
その従業員はそのまま治療、自宅待機となりましたが、大変だったのはその後の「社内での濃厚接触者の特定」です。
表計算ソフトでは履歴の抽出・照合に時間がかかり、入力ミスも多くあったことが分かりました。ヒアリングによって感染者と同部署の従業員、会議などで同席した従業員はある程度絞り込めましたが、検温担当部署の業務は滞りました。
その後、新たな感染者は出ませんでしたが、濃厚接触者の特定に数日かかってしまい、従業員からは不安の声が上がっています。

紙や表計算アプリを使用している場合は、紙や結果を管理する工数がかかります。特に、一部でテレワークを推進したくとも表計算ソフトに入力するために出社せざるを得ない人もおり、多大な労力が必要になるでしょう。

検温結果、行動履歴をアプリで管理しているC社の場合

C社では、従業員の検温記録と行動履歴の管理をアプリで行うようにしていました。検温は自宅で出社前に行うか、出社時に入り口に置いた体温計で測るかのどちらかで行うように指示しています。
アプリへの結果入力の手間はあまりなく、管理する部署や、従業員からも「楽でいい」と好評でした。そんななか、従業員に感染者が出てしまいました。
感染したAさんと接触した人をアプリで確認、濃厚接触者として自宅待機させ、未感染を確認。しかし、別に新たな感染者が発生し、新たな感染者Bさんの行動履歴を確認すると、実はAさんとの濃厚接触があったことが分かりました。
しかし、最初のチェックで濃厚接触者としてリストアップされなかった理由が分かりません。Aさん、Bさんに詳しく聞いたところ、Aさんは感染発覚の数日前から熱があったのですが、業務をこなす必要性が高かったことから体温を偽って記録していたことが分かりました。Bさんが接触していたのは、Aさんの発熱初期だったため、リストアップから漏れてしまっていたのです。
C社では「自己申告の不正確さ」について対策の必要に迫られています。

アプリで管理する場合は、自己申告のため虚偽の体温の区別がつきません。体温が高いと出社できなくなったりPCR検査を受けたりする必要があるため、偽って申告するケースもゼロではないでしょう。

検温に時間がかからず、データ管理が容易な「AI温度検知ソリューション」の導入を

3つの事例で分かる通り、適切に記録を管理するには、個人と温度検知結果を客観的に紐付けて記録するツールが必要になります。場所・時間を問わずにアクセス可能なシステムを構築することも大切です。

JCVでは、わずか0.1秒で温度検知可能、顔認証システムとしても利用可能な「SenseThunder」を提供しています。異常温度や顔認証履歴をリアルタイムで確認できる「SenseLink Cloud」と一緒に利用することで、従業員の体温を容易に管理可能です。

簡便で正確な体温管理にお悩みの方は、ぜひ一度JCVの「SenseThunder」「SenseLink Cloud」をご検討ください。

※本コラムで表記する検温・検温器とは「温度検知を行う行為・機器」を総称して使用しています。体温計とは薬機法に定められた基準で「体温を測定する機器」となります。

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