コラム

顔認証システムの活用で、経験や勘に頼らない小売業の戦略を実現する

公開日:

更新日:

複数の店舗を運営する小売企業では、それぞれの販売現場でどのような施策を行うかが売上に大きく影響します。
適切な施策を打ち出すためには各店舗の客層や取扱商品、お客様の行動傾向などさまざまな情報が必要です。

企業ではお客様アンケートや店舗従業員によるデータ収集など様々な取り組みをしています。
しかし、正確なデータを漏れなく収集することを難しく感じている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、顔認証システムで顧客データを効率的に収集し、どのようにデータを活用した戦略へ繋げるのかを考えます。

戦略のキモとなる情報収集

事業戦略を練る上で、大量の正確なデータは欠かすことができない重要な要素です。
不特定多数のお客様が来店する店舗では、できる限りの情報を集めるために様々な工夫を重ねています。

しかし、複数の店舗を経営する企業では、戦略立案をする立場の従業員が実際に店舗の状況を見ることができない状況も珍しくありません。
各店舗からの報告に頼りきりになってしまい、一貫したデータを集めることに難儀している企業の方々も多いのではないでしょうか。

このような課題は、現在小売業界で活用が広まっている顔認証システムが解決の糸口になる可能性があります。

顔認証システムでは、連携するカメラデバイスによりお客様の属性(年代や性別など)を判断し、自動的に属性情報を含めた顧客データベースを構築することが可能です。
従業員によるお客様の属性判断は、入力した担当者により結果がばらつきやすく、多忙な時間帯では疎かになってしまうこともあるでしょう。
顔認証システムであれば常にシステムによる一貫した基準で判別され、複数人のお客様を同時に認識することができます。
そのため、これまでよりも正確な情報を大量に収集することが可能です。

最小限の店員数で店舗を運営している状態であれば、情報収集をシステムに任せることが課題を打破する大きな一手となる可能性があります。

店舗ごとに戦略を練る重要性

複数の店舗を経営する上で、各店舗個別の情報収集は極めて重要であると言えます。
商圏は店舗ごとに異なり、全店舗で同様の施策を実施することが必ずしも最善手とは限らないためです。
店舗ごとに異なるニーズを把握し、さらに予測も可能となれば大きなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

お客様の情報は従業員の観察やアンケート調査などが主流で、収集には手間や時間が必要です。
そのため、各店舗の売上や出費のような数値的データと比較して、実際の客層やお客様の行動傾向を正確に把握することは難しいケースが多いでしょう。

顔認証システムは様々な情報収集や分析を行うことができますが、店舗での情報収集の例として、下記のような使い方はいかがでしょうか。

1. 属性情報
先に触れたように、お客様の年代や性別を顔認証システムが自動で判別します。
これにより、商圏から予測した客層とのギャップの把握や、実際の客層に基づいた新たな施策検討の材料になるでしょう。

2. お客様の導線
店舗内でお客様がどのような経路で商品を見て回ったかをデータ化することが可能です。
店内レイアウトの改善はもちろん、行動から興味の対象となっている商品を予測してレコメンドするなどの施策も考えられます。

3. 混雑情報
ほとんどの店舗では、混雑しやすい特定の時間帯が存在します。
時間帯ごとの混雑状況を正確に計測できれば、人員配置の最適化に繋がります。

顔認証システムを利用することで、これまでの方法では収集が困難であった情報を自動的に収集し、データベースに格納することができます。
蓄積されたデータは利用者が自由な切り口で分析することが可能なため、戦略検討もこれまでより効率的に進めることができるでしょう。

顔認証システムにより情報収集と戦略立案を効率化し、大量のデータを根拠とした戦略立案を実現できれば店舗経営において大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。

顔認証システムで人手不足にもアプローチ

顔認証システムはお客様の情報収集に大きな力を発揮します。
しかし、顔認証システムのメリットはそれだけではありません。
これまで従業員が行っていた作業を顔認証システムで代替し、業務効率化を推進することが可能です。

ここでは、小売業界で深刻な課題となっている人手不足に対して、顔認証システムでどのようなアプローチができるのかをご紹介します。

1. 顔認証決済
非接触型決済が一般的に利用されていますが、顔認証システムによる決済も実用化が進んでいます。
従来の非接触型決済と比較して、デバイスやICカードを提示する必要がありません。
顔情報で購入手続きが完了するため手間が掛からず、紛失や不正利用の防止にも繋がります。
店舗側でもレジ対応や不正利用に対する払い戻し処理の工数削減が見込めるでしょう。
また、ここで認証した顔情報の属性に合わせたクーポンや広告の配信を行うことで、これまで以上に適切な消費行動へのアプローチとなります。

2. 従業員管理
従業員の出退勤を顔認証システムで行うことができます。
自動的にデータが蓄積されるため、打刻の手間や勤怠表の作成、管理の簡略化に繋がります。
非接触での検温も行えるため、従業員の健康管理はもちろん体調不良のお客様の検知にも応用することができます。

3. 不審者、要注意人物の監視
万引き対策や不審者の監視は、店舗経営において重要な課題です。
従業員による監視だけでは不十分である場合も多く、専任スタッフの雇用はコストを圧迫してしまいます。
顔認証システムにより店内の監視を自動化し、注意が必要なタイミングで各従業員へ通知を行うことで業務効率化を実現できます。

このように、顔認証システムによる工数削減により、これまでよりも少ない従業員数で店舗運営できる環境づくりに繋げることができます。

人手不足の現代、人材確保のための努力も大切ですが、システムにより必要な人手を減らすことも重要な観点です。
顔認証システムは応用が効きやすく、ここでご紹介した方法以外にも活用方法は多く存在しています。
店舗の状況に合わせた顔認証システムの利用方法を模索し続けることで、更に多くの自動化やお客様へのサービス向上を見込めます。

まとめ

ご紹介したとおり、顔認証システムは不特定多数のお客様が来店する店舗で正確な情報収集を自動的に行い、店舗戦略検討の大きな力になります。
競合他社との競争や、多くの社会情勢に対応する必要に迫られる小売業界では、これまでのやり方だけではなく根本的な業務改革が必要ではないでしょうか。

顔認証システムは、販売現場だけではなく経営の基盤にも影響を及ぼす変化をもたらします。
顔認証システムの活用による業務改革をご検討してみてはいかがでしょうか。

小売業界で活躍する顔認証技術について、こちらの資料にも情報を掲載しています。
ダウンロードのうえ、ぜひ貴社のビジネスにお役立てください。

小売業界の進化がはじまる 画像認識・顔認証技術がもたらす変革とは
https://www.japancv.co.jp/ebook/5110/

お役立ち資料一覧はこちら

CONTACT

ご相談、お⾒積もりのご依頼
などお気軽にお問い合わせください。

日本コンピュータビジョン(通称:JCV)について

日本コンピュータビジョン株式会社は、ソフトバンク株式会社を親会社とするAIカンパニーで、
画像認識技術を活用し、“スマートビルディング分野”と“スマートリテール分野”に対して
最先端ソリューションを提供します。