コラム

高まる非接触ニーズ。販売現場で顔認証技術が求められる理由とは?

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コロナウイルス感染拡大防止の必要性について、様々な場所で見聞きする世の中になりました。
これにより企業、個人双方で感染防止の意識が高まっています。

しかし、販売の現場において、お客様の意識向上は課題にもなり得る状態ではないでしょうか。
お客様に納得いただける感染防止策が講じられている環境でなければ、イメージダウンに繋がる可能性があるためです。
従業員のマスク着用やレジの仕切りだけでは、多くのお客様が来店する販売現場として対策が十分とは言えないでしょう。

この記事では、顔認証技術の活用により販売現場がどのように変化し、時代に対応していけるのかをご紹介します。

非接触需要は決済に限らない。1歩進んだ非接触販売形態とは

電子マネーの普及が広がり、販売店での決済はスマートフォンやクレジットカードによる非接触決済が広く利用されています。
現金での決済と比較すると、効率や衛生面でも大きな進歩と言えるでしょう。

しかし、昨今求められている非接触需要に関しては、上述の非接触決済だけでは不十分かもしれません。
急速に非接触需要が広がっている理由の根底は、社会的に感染防止対策を求められている状況であり、非接触決済は手段の一つに過ぎないためです。
非接触決済だけでは、コロナ禍において万全の感染防止対策を行っているとは言い難いです。

リアル店舗では時間帯によって混雑が起こりやすく、多くのお客様をスピーディに対応することが困難な場面があります。
コストの兼ね合いで従業員の人数は必要最小限となり、人材不足の影響でそもそも人材を確保することが難しいといった背景もあるでしょう。

このような状況下で、社会から求められる感染防止対策と企業としての活動を両立させることは非常に難しいことです。

そこで活用が急速に広がっているのが、顔認証システムです。
顔認証システムの導入により、感染防止対策の実現とビジネス上のメリットを両立させることができます。

この記事では、顔認証システムにより現代の販売業がどのような進化を遂げようとしているのかをご紹介します。

高まる非接触需要。販売業としての対応は?

社会的な気運もあり、非接触での販売ニーズは高まり続けています。
背景として、コロナ禍に対する感染拡大防止の気運が強く影響していると考えられます。
このようなニーズに応えていくために、販売業界はどのようなことを検討するべきでしょうか。

1. 感染リスクに対するお客様の意識向上に応える

お客様の感染リスクに対する意識は高く、不安を抱えながら買い物をする方もいらっしゃいます。
発熱している方が入店するだけでも店内での感染リスクは上がってしまいますが、個別に体調確認を行う余裕を持った販売現場は少ないでしょう。
自覚症状がない場合もあるため、発熱しているお客様を客観的に判別することが現状では困難なケースがあります。

2. 販売現場の混雑を緩和する

3密の防止が強く叫ばれていますが、店舗のレジは時間帯によって混雑が起こりやすい場所です。
対応としてセルフレジの導入や従業員の増員が考えられますが、コストの観点では負担になってしまうケースが多いのではないでしょうか。
レジだけではなく陳列棚でも人混みができやすいエリアがあるなど、お客様の行動を分析しながら店舗のオペレーションを検討する必要があります。

3. 感染防止対策と営利活動の両立

感染防止対策の実施によるコスト増加により、経営を圧迫してしまう問題があります。
企業として社会活動を行う上で、感染防止対策の推進は無視できません。
しかし、コロナ禍による打撃を被った販売業界では、それらのコスト増加は大きな負担になってしまうでしょう。
企業としての経済活動と感染防止対策を両立させた対応を実現できなければ、長期的なコスト増加と向き合わなければならない状態となってしまいます。

このように、コロナ禍や人手不足の逆風の中でコストと向き合う必要があります。
従業員の長時間労働や工夫だけでは、対応に限界が見えているのではないでしょうか。

顔認証システムは、上述の課題解決の大きな追い風となるため多くの企業が導入を進めています。

感染防止効果と業務効率化を両立する顔認証システム

それでは、実際に顔認証システムがどのように活用され、課題を解決しているのか見てみましょう。
使い方次第で様々な効果を発揮しますが、ここでは販売業での活用例をご紹介します。

1. 効果の高い感染防止対策の実現

顔認証システムでは、カメラが搭載された顔認証デバイスを現場に設置して利用します。
顔認証デバイスは、顔の識別だけではなく検温機能が搭載された物もあり、入店するお客様の体温を客観的に測定することが可能です。
これにより、発熱しているお客様には入店を控えていただくなどの対応を行えるため、多くのお客様が安心して買い物ができる環境に近づきます。

2. 会計時の混雑緩和

顔認証システムによる非接触決済は、デバイスやカード不要の手ぶら決済が可能な点が特徴です。
これによりお客様は紛失や盗難のリスクから開放され、店舗側も従業員によるレジの操作やお客様への案内が不要になります。
また、決済時にデバイスの操作ミスやカードの有効期限で手間取ることなく決済を完了することができます。
お客様同士の感染リスクの低下に繋がるため、利便性と安全性の両立を見込めます。

3. 業務効率化

顔認証決済によるレジスタッフの工数削減はもちろん、従業員の出退勤を顔認証システムで管理することが可能です。
タイムカードや出勤簿への記入が不要になるほか、管理者側も従業員の勤怠を顔認証システムのデータで確認することが可能なため、業務の効率化やコスト削減に繋がります。

4. 万引きの防止

店舗内に顔認証デバイスを複数設置することで、監視業務を自動化することが可能です。
長らく社会問題となっている万引きですが、被害に遭った経験のある小売業界の方も多いのではないでしょうか。
万引きの被害を取り戻すためには被害額分の純利益をあげなければならず、販売業は非常に理不尽な負担を強いられているのが現状です。
また、万引きの手口は複雑化の一途を辿っており、組織的な窃盗グループに狙われてしまえば防ぐことは容易ではありません。
従業員による万引き対策は、もう限界に来ていると言ってもよいでしょう。
顔認証システムであれば、カメラの映像から不審者を自動的に検知することができます。
常に一貫した品質で広い範囲を監視し続けるため、見逃しのリスクが大きく削減されます。
不審者を検知したら通知を行い、必要に応じて従業員がマークするといった運用も可能です。

5. お客様の購買意欲促進

顔認証システムに登録された顔データは、年代や性別などの属性情報を分析することが可能です。
分析結果をもとに、お客様が興味を持ちそうなクーポンや広告を個別に配信することもできます。
同一の情報をお客様へ配信し、興味を持ってくれた方が購入へ進んでくれることを狙っていた戦略と比較し、成功率の上昇を見込めるのではないでしょうか。
また、お客様が煩わしさを感じる機会の削減にも繋がるため、満足度の上昇にも効果を発揮します。

このように、顔認証システムを利用することで感染防止対策の推進はもちろん、経済活動として多くのメリットを享受できます。

まとめ

現在もなお、苦境に立たされている販売業の企業は数多く存在しています。
しかし、社会から求められる感染防止対策の水準は高く、店舗運営との両立が非常に難しい状況です。

顔認証システムは感染防止対策の推進と、コスト削減及び売上の上昇を両立させる、販売業と非常にマッチした技術です。
社会からの要望に応え、その上でお客様の満足度にも繋がるのであれば、一考の価値は十分にあるのではないでしょうか。

皆様の店舗運営に、少しでもお役に立てていれば幸いです。

販売現場で活躍する顔認証技術についてはこちらの資料にもまとめています。
▶︎ 小売業界の進化がはじまる。画像認識・顔認証技術がもたらす変革とは

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