コラム

オフィスのセキュリティを強化する入退室管理とは?一歩進んだ入退室管理を解説!

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オフィスの出入り口やサーバー室、機密情報を保管している区画など、入退室管理を行なうべき場所は多くあります。

適切な入退室管理を行なうことで物理的なセキュリティの向上やセキュリティ事故発生時のスムーズな対応、内部不正の防止など多くのメリットを享受することが可能です。

この記事では、オフィスで入退室管理を行なう必要性や、どのような管理が望ましいのかを解説します。

オフィスで入退室管理を行なう重要性とは

多くの企業で入退室管理を行なっていますが、そもそもなぜ入退室管理が重要なのでしょうか。

入退室する人物の制限

企業のオフィスは従業員だけではなく、来客や清掃員など様々な人物が出入りします。
誰でも入室できることはセキュリティ上大きなリスクですが、正当な理由があるにもかかわらず入室が制限される環境も非効率です。
そのため、許可された人物が必要なときに入退室を行える環境を整備する必要があります。

また、企業は機密情報を保持しており、内容によっては従業員であっても閲覧することが望ましくないものもあります。
機密情報を保存しているサーバーや紙面は厳重に管理する必要があり、保管場所への入室は限られた人物のみ許可するといった制御も必要です。

入退室履歴の収集・保存

特定区画への入退室制限の他に、入退室を行なった履歴を取得することも入退室管理の重要な役割です。
オフィスのセキュリティ対策を行なっていても不正入室の可能性をゼロにすることは難しく、情報漏洩やセキュリティインシデントが発生してしまう可能性は存在します。

そのため、万が一の事態が発生した際に過去の入退室履歴を追跡し、当時の状況や不審な行動をしていた人物の特定を行うために、入退室履歴の保存が重要です。

取引先の信用獲得

企業間での取引を行なう際は、多くのケースでは業務に必要な情報として自社の機密情報を取引相手に共有することになります。
自社の情報を保持している企業のオフィスセキュリティが疎かな状態で、情報漏洩の心配がある環境では、その企業との取引に懸念が生まれてしまうのではないでしょうか。

適切なセキュリティを確保し、情報漏洩対策をしっかり行なっていることで、自組織に対してポジティブな印象を持ちやすいと考えられます。

自組織に必要な入退室管理はどのようなものかを検討することは、ビジネスを継続する上で大切な要素と言えるのではないでしょうか。

従来のオフィスの入退室管理における課題

従来のオフィスの入退室管理では、工数や正確性、ICカードの管理など、いくつかの課題もあります。

入退室管理の工数

入退室管理を行なうためには、従業員による入退室の記録と管理部門や上長による入退室記録の管理が必要です。

従業員は入退室管理が行なわれている区画へ出入りする度に何らかの方法で記録を残すことになります。入退室記録用紙を配置しておき、入退室の度に手書きをする、ICカードなどを読み取り機にタッチして扉を解錠するなどの方法が一般的でしょう。

1回の手間は大きくありませんが、積み重ねにより増える工数や、大きな機材を搬入するタイミングなど、手間になってしまうケースは多くあります。

また、管理部門では記録された情報を整理して必要な時に参照できる状態を維持する必要がありますが、手書きのシートでは検索が行えない、管理側の紛失のリスクも無視できません。

ICカードの管理

ICカードによる入退室管理は手軽ですが、万が一の紛失時には重大なセキュリティインシデントに繋がる恐れがあります。

緊急で必要になる権限の停止や再発行の手間、コストも無視できません。また、ICカードは「本人がそのカードを所持している」ことを前提としたシステムです。

第三者によってICカードをかざした場合でも勤怠の記録が可能であり、不正入室や共連れなどの不正に繋がる恐れがあります。

正確な入退室の記録

入退室管理は、オフィスの出入り口や機密性の高い区画で行なわれることが基本です。
そのため、「いつ」「だれが」「どこで」入退室を行なったのかを高い精度で記録し、必要な時に信頼できる情報として参照できなければなりません。

しかし、記録用紙では書き忘れのリスクがあり、ICカードなどの方法では不正の排除が難しく、正確な情報であると確信しづらい課題があります。

顔認証を活用した入退室管理であれば、このような課題への有効なアプローチをとることができます。

安全で信頼できるオフィス向け入退室管理を実現するための検討項目

効果的な入退室管理を実現するためには、組織にマッチした入退室システムの導入が有効です。
どのような観点で検討を行なえばよいのか紹介します。

管理できる項目

人物
そのときに入退室を行なった人物です。
セキュリティインシデントが発生した場合は当時の状況を調査・確認することが大切です。
しかし、当事者が不明の場合は正しい状況把握が困難となり、適切な対処を行えなくなってしまいます。

時刻
入退室を行なった時刻の記録です。
人物と同様に、セキュリティインシデント発生時の状況確認に使えるほか、休日・夜間など通常出入りしない時刻に入退室記録があった際は、不正や異常事態を警戒することにも繋がります。

出入りした区画
オフィスの出入り口や役員室、サーバー室など、区画によって保管されている機密情報や資産は異なります。
誰がどの情報へアクセスしたのかが分かりやすくなるほか、従業員の導線を確認する際にも利用可能です。

認証方式

暗証番号方式
数桁の番号を入力し、正しい番号であれば解錠を行なう方式です。
正しい情報を知っていれば認証できるため、特別な処理をせずとも番号を伝えるだけで新入社員等が入退室を行えるようになる手軽さが魅力です。
しかし、暗証番号が外部に漏洩すれば全員が番号を覚え直す必要があるほか、情報漏洩に気づくまでは不正侵入される危険性が残るデメリットがあります。

ICカード
交通系ICカードや社員証をかざして認証する方式です。
認証用カードを持っている人物であれば入退室が可能であり、分かりやすい運用が可能です。
この方式のリスクとして、カードの紛失や盗難が挙げられます。
社員証を紛失してしまうと、発見した第三者に自社の従業員がセキュリティ事故を起こしたことが筒抜けになってしまうほか、悪意のある人物により不正侵入される恐れもあります。
また、カードが破損すると再発行の手間が掛かることも課題です。

生体認証
人間の身体情報により認証を行なう方式です。
物理的なカードや共通の知識が不要であるため、紛失や情報漏洩のリスクが非常に低いことが特徴です。
指紋認証や虹彩認証、顔認証など、生体認証の中でも認証方式が複数存在します。
その中でも、顔認証システムは入退室管理以外にも空港のゲート、エンターテインメント施設など多くの場所で採用されている方式です。
カメラに顔をかざすだけで認証を行える手軽さや、Webカメラでも認証可能なデバイスの入手のしやすさが大きな魅力と言えます。

他システムとの連携

システムによっては入退室の管理だけではなく、そのデータを活用して多くの付加価値を生み出すことができます。

勤怠管理
1日のはじめにオフィスへ入室した際は出勤、最後に退室した際は退勤のように、データとして入退室を管理することで勤怠管理に応用することができます。
勤怠の入力や管理部門によるチェックは手間がかかりやすく、生産性の面でも可能であれば削減したい企業が多いのではないでしょうか。

体調管理
顔認証システムではカメラで顔を映して認証を行ないますが、温度検知センサーが搭載されているカメラであれば認証者の体温をチェックすることが可能です。
新型コロナウイルスやインフルエンザの集団感染を防ぐことや、日常的な体調管理にも活用することができます。

来客者の判定
顔認証システムに登録されている人物であれば、従業員以外でも認証している人物が誰なのかを特定することができます。
それにより、来客者が顔認証を行なったタイミングで担当者へ通知をする、担当が決まっていなければ受付担当が対応するなど、受付業務のシンプル化に繋がります。

自組織に必要な機能を明確にすることで、コストとのバランスを判断しやすくなります。

顔認証による利便性とセキュリティレベルの向上

顔認証システムによる入退室管理では、前述した生体認証のメリットに加えて顔認証ならではのメリットがあります。

完全な非接触

顔認証システムは認証デバイスに一切触れることなく認証を行うことができます。
不特定多数の人物が同じものに触れることが気になる方でも、精神的な負担を感じること無く利用可能です。

Webカメラでの認証も可能

専門的な認証デバイスではなく、一般的なWebカメラでも認証を行えます。
入手しやすいため、万が一の故障時でも影響が少なくなることを見込めるのではないでしょうか。
検温機能を備えたカメラを利用すれば、従業員や来客者の検温を行ない発熱している方へ個別対応を行なえるほか、従業員の健康管理を行なうと言った応用も可能です。

正式な入退室情報

入退室時の映像が残るため、入退室の課題となりやすいなりすましや共連れを検知することができます。
また、不正を検知できる環境であること自体が、不正行為を抑止する効果も期待できます。

顔認証システムによる入退室管理は、オフィス運営をする上で有力な選択肢と考えられます。

顔認証システムによる入退室管理の導入事例

顔認証の入退室管理がどのように活用されているのかを紹介します。

ICカード紛失のリスクを排除

ニュース配信サービスを提供する国内企業では、ICカードを常に身につけなければならない状況から脱却するために、顔認証による入退室管理システムを導入しました。

カードの紛失や忘れのリスクを排除し、指の汚れなどの影響も受けない顔認証システムがマッチしていると考えたそうです。

極端な光量の多寡に影響されず高い認証スピードを誇る顔認証により、セキュリティを底上げしつつ、従業員の利便性にも繋がっています。

建設現場での作業実績記録に応用

国内の建設現場では、これまで現場作業者の予定や実績の確認、協力会社からの報告書のチェックや整理に多くの工数を費やしていました。

また、全員を毎日本人確認するわけにもいかない状況では、協力会社からの報告資料をそのまま処理するしかなく、実態を把握できない課題も抱えていました。

顔認証システムにより、誰がどのような作業に従事し、健全な労働環境で作業に従事できているのかを明確に把握することができるようになりました。

また、作業者の保有資格を顔情報と紐付けることで、有資格者が特定の作業に従事していることを記録としても残せる環境となっています。

様々な現場で柔軟に活用できる点も、顔認証システムの強みと言えます。

組織のオフィスにマッチした入退室管理を

多くの人物がそれぞれの目的で出入りするオフィスで十分な入退室管理を実現するためには、どのような仕組みで入退室管理を行なうのかが極めて重要です。
区画や出入りする人物が増えるにつれて、人間による運用だけでは担当者への負担が大きくなり、セキュリティ面にもリスクが生まれてしまうでしょう。

組織の規模やオフィスの使い方により、マッチする入退室管理システムは異なります。
自組織に適した入退室管理を実現するために、まずはどのような管理を行ないたいのか明確にするとよいでしょう。

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