オフィスや特定区画の入退室を制限し、許可された人物以外の侵入を防止する入退室管理は、セキュリティ上極めて重要な対策です。
単純な施錠だけではなく、暗証番号やICカードを用いた入退室管理は古くから活用されており、一定のセキュリティレベルを確保しています。
しかし、情報の重要性が増加し、情報漏洩のダメージも極めて大きなものになりやすい現代では、従来の方法では安心できない面も存在します。
この記事では、従来の入退室管理で考えられる課題と、これからの入退室はどのような形が考えられるのかを紹介します。
物理的なセキュリティを確保するために必須の入退室管理
一般家庭であれば施錠を心がけることで必要十分と言えるかもしれません。
しかしオフィスでは、それだけで十分とは言い切れません。
不特定多数の人物が出入りする
オフィスでは従業員だけではなく、取引先や顧客、清掃員など様々な人物が出入りするため、守るべき情報や資産は厳重に管理しなければなりません。
複数人の従業員が在籍していれば人の目は存在しますが、防犯意識を高く保っている方でなければ入室者の行動を厳重に監視することは少ないのではないでしょうか。
入室した人物が悪意を持っていれば、誰にも気づかれずに不正行為を働くことが可能である環境は、重大なセキュリティリスクであると言えます。
重要な機密情報が保管されている
組織が保有する情報は経営に関わるものや金銭的価値に換算できるものも存在し、設置している機材にも高価な物が含まれていることが多く、盗難等からこれらを守る必要があります。
特定の区画への立ち入り制限はもちろん、「誰が」「いつ」「どこに」出入りしたのかを管理することは防犯の観点でも極めて重要です。
セキュリティインシデント発生時の対応
万が一機密情報の盗難や情報漏洩が発生した場合、企業はその対応に追われることになります。
その際、特定区画への入退室履歴が記録されていなければ当時の状況を追跡することができず、十分な再発防止策の立案や対外的な説明を行なうことが困難になってしまいます。
信頼できる入退室履歴を記録しておくことで、万が一の状況でも適切な対応を取ることが可能となります。
物理的なセキュリティ対策やインシデント発生リスクの観点でも、入退室管理は企業にとって重要な施策と言えます。
入退室管理の課題
多くの企業が実践している入退室管理ですが、セキュリティと利便性の両立や不正行為など、課題も存在します。
入退室時の混雑
多くの企業が実践している入退室管理ですが、セキュリティと利便性の両立や不正行為など、課題も存在します。
不正行為
多くの入退室システムは厳格な認証を行ない、入室を許可された人物や認証デバイスのみを高精度で認証することができます。
しかし、課題として「許可された人物が認証を行ない、その人物が認証後に入室する」ことを前提としていることが考えられます。
この前提により、認証に利用するカードやスマートフォンの貸し借りによるなりすまし、認証した人物以外の人物が一緒に入室する「共連れ」など、不正な入室を許すことに繋がります。
認証デバイスの管理
ICカードやスマートフォン等を認証に用いる場合、その認証デバイスの管理は基本的に持ち主が行ないます。
そのため、ずさんな管理や思わぬトラブルにより紛失や破損してしまうリスクが存在します。
このような事故は持ち主による注意だけでは防ぐことが難しい面もありますが、深刻な情報漏洩の可能性を加味すると常につきまとうリスクとして許容することも難しいのではないでしょうか。
このような課題を解決するためには、どのような方法が考えられるのでしょうか。
多くの課題を解決する顔認証システム
顔認証システムによる入退室管理には、前述の課題をスマートに解決し、安全な入退室管理を実現できる特徴があります。
混雑の緩和
顔認証システムでは、入退室を行なう人物を複数人同時認証することが可能なものも存在します。そのため入退室時の認証で足が止まることなく、スムーズに区画へ出入りすることが可能です。
新型コロナウイルスやインフルエンザなど、室内での混雑はパンデミックを引き起こす原因にもなり得ます。
顔認証システムにより効率的な入退室と安全な環境を両立することに繋がります。
不正行為の抑制
物理的な認証デバイスを利用せず、本人の顔情報により認証を行なう顔認証システムはカードの貸し借りやなりすましを行なうことが困難です。
また、顔写真のような偽装では突破できない精度で認証することが可能であるため、セキュリティレベルも非常に高いと言えます。
入室時の状況はカメラで撮影しているため、万が一共連れが発生してもシステムにより検知することが可能です。
管理者により事実を確認できるだけではなく、過去に行なわれた不正行為も映像として確認できることで強固な入退室管理を行なうことに繋がります。
紛失や盗難の防止
人物の生体情報を利用して認証を行なうため、認証に必要なデバイスやカードを紛失する心配がありません。
従業員の管理負担を軽減した上で、強固なセキュリティを実現することができます。
顔認証システムを活用することで、これまで以上に安心・安全な入退室管理環境を構築することが可能です。
これまで以上に厳格で快適な入退室管理
入退室管理を実施している企業は非常に多いですが、時代が進むに連れて企業に求められるセキュリティレベルは上昇している傾向にあります。
入退室管理を実施している状態だけではなく、これまで以上にセキュリティを強化し業務効率を向上させることを検討することは、今後のビジネス展開においても重要な要素であると言えるのではないでしょうか。
顔認証システムは大人数の認証や不正の抑制、感染症防止対策など、企業に多くのメリットをもたらします。
既存システムでは解決が難しい課題へのアプローチとして、顔認証による入退室管理を検討してみてはいかがでしょうか。
