コラム

顔認証でビジネスはどう変わる?個人情報保護法を踏まえた顔認証システムの利活用とは

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スマートフォンのロック解除をはじめとして、顔認証技術は身近で利用されるようになってきました。
しかし、自社ビジネスでの利用となると、個人情報保護法の遵守や顔認証システムの導入に不安をもつ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもどのような形でビジネスに利用できるのかをイメージし辛い方も多いかもしれません。
ここでは2022年4月に改正される個人情報保護法の基本的な部分と、実際にビジネスで活用できるシーンをご紹介します。

取得した顔認証データは個人情報になるのか

結論としては、顔認証システムで利用する顔データは個人情報に該当します。

特定個人を識別できる顔データを顔認証システムで利用するにあたり、検討の段階で収集した顔データの適切な扱い方を理解する必要があります。
不適切な管理体制で顔データを収集・利用してしまうと個人情報保護法に抵触し、トラブルの原因となってしまうためです。

個人情報の定義

法律上、個人情報は下記の通り定義されています。

 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、 次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電 磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。 次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録 され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を 除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの (他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる こととなるものを含む。) 二 個人識別符号が含まれるもの

(引用元:個人情報の保護に関する法律

顔認証システムで用いる顔データは、上述の「二 個人識別符号が含まれるもの」に該当します。
個人識別符号は下記の通り定義されており、電子化された顔データはこの対象となります。

 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの

(引用元:個人情報の保護に関する法律

個人情報にならないデータ

取得した顔データは個人情報として扱われますが、顔データから抽象化された「年代」や「性別」のように、個人の特定に至らないデータは個人情報にあたりません。
ただし、データベース上の関連付けやシステムの機能などで、抽象化されたデータから特定個人を抽出できる場合はこの限りではありません。

(参考元:カメラ画像利活用ガイドブック

個人情報を扱う上でコンプライアンス対策は欠かせません。
顔認証システムを導入する前にしっかりと理解し、適切な運用に努める必要があります。

2022年4月の個人情報保護法改正ポイント

改正される個人情報保護法に沿って顔認証システムを利用するためには、事業者側の対応も必要になります。
個人情報保護委員会より案内が出ているため、ここではどのような対処が考えられるかを解説します。

(参考:改正個人情報保護法対応チェックポイント

法改正に伴い、まず着手するポイント

1. 情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告・本人への通知義務化
情報漏えいが発生してしまった場合に備え、報告・本人への通知を行う手順を事前に整備しましょう。
社内のエスカレーションを含め、社員の理解を促進するための資料作成や教育を実施できるとよいでしょう。

2. 外国の第三者への個人データ提供を行っている場合、第三者による個人情報取り扱いについて本人への情報提供の充実
海外の事業者が個人データを扱う場合は、本人がどのように自分の個人データを扱われるかを理解できるよう情報提供を充実させる必要があります。
まずは海外の第三者へ個人データを提供している環境にあるかを確認しましょう。

3. 安全管理措置の公表義務化
収集した個人データに対し、どのような安全管理措置が講じられているかを本人が把握できるよう、公表等を行うことが義務化されます。
プライバシーポリシーの改定や、本人からの問い合わせに対し遅延なく回答することができる体制の整備が必要です。

顔認証技術は非常に利便性が高い反面、慎重なデータの取り扱いが求められます。
個人情報保護法及び法改正後のポイントも含め、綿密な計画のもとで運用していく必要があります。

非接触の手続きをスムーズに実現する顔認証技術

コロナ禍以降、非接触で完了できる手続きの需要は急速に高まりました。
顔認証システムを活用することで、非接触手続きはもちろんその他にも多くのメリットを享受できます。

顔認証システム活用シーン

1.決済
購入客の顔情報と決済情報を紐付けることで、クレジットカードやスマートフォンすら不要な決済を実現できます。
これにより購入手続きを簡略化できるほか、お客様は決済手段に必要なモノの紛失や不正利用のリスクが無くなるためより快適に買い物をすることができるでしょう。
企業側にもメリットがあり、不正利用へのチャージバック対応や従業員の工数削減を期待できます。

2.従業員の勤怠管理
一般的に、従業員の出退勤はICカードやタイムカードで管理している企業が多いでしょう。
顔認証による出退勤管理を行うことで、不正打刻を防ぐことが可能です。
また、オフィスへの入室認証に顔認証システムを利用し、ICカード関連の付帯業務の削減や紛失時のリスク軽減を期待できます。
対応したデバイスを用いれば、出勤時の自動検温のように社員の健康管理にも効果を発揮します。

3.お客様の属性をマーケティングに活用
来店したお客様の顔データをもとに年代や性別等の属性を分析・可視化することで、有用なマーケティング情報を得ることができます。
システムによる一貫した基準で大量のデータ収集を行えるため、幅広い用途に活用できることも魅力の一つです。

このように、顔認証システム導入することで業務の効率化や品質向上、工数の削減を期待できます。

顔認証技術をビジネスに導入するためには?

顔認証システムの利便性や個人情報の取り扱いについてご紹介してきましたが、実際にビジネスで活用するにはどのようにすればよいでしょうか。
多くの企業では、自社で顔認証システムの構築を行うことは難しいと感じるでしょう。
しかし、顔認証システムを提供している外部サービスを活用することで、専門的な知識が少なくてもビジネスに導入することが可能です。

顔認証システム提供サービスの選定ポイント

顔認証システムを提供しているサービスは複数存在するため、自社に合ったサービスを選定する必要があります。
基本的な観点をご紹介するので、ぜひサービスの選定に役立てていただければ幸いです。

1. コストは自社で許容できる範囲か
イニシャルコストのほか、顔認証システムの運用・保守などのランニング費用を考慮すると、クラウド型のサービスが利用しやすい選択肢と言えるでしょう。
規模の拡大、縮小も比較的容易に行えるため、利用状況に合わせたコストコントロールを行いやすい点もメリットです。

2. 取得した情報のセキュリティは担保されているか
前述の個人情報保護法もあり、顔データを利用するためにはセキュリティの担保が必須です。
社内に顔データを保管すること自体がリスクになる可能性もあるため、セキュアに構築されたサービス提供事業者の環境にデータを保管できるとよいでしょう。
データやハードウェア管理のコスト削減にも繋がります。

3. 専門家が在籍していなくても運用することができるか
顔認証システムを利用するために多くの専門知識が必要となると、導入自体が難しく、不具合対応や運用改善も疎かになってしまいます。
基礎的な知識で利用できるAPIや、用途毎にパッケージングされた機能を提供しているサービスであれば、無理なく運用することが可能です。

4. 現場で使用するデバイスは容易に入手することができるか
顔認証システムを利用するためには、カメラやシステム操作端末などのデバイスを用意する必要があります。
デバイスは自社で選定しコストと機能のバランスを検討することも考えられますが、機器の仕様による互換性やバージョンアップで利用不可になってしまうといったリスクも存在します。
動作が保証されたデバイスがサービス側から提供される形であれば、そのようなリスクを軽減することができるため、確認ポイントと言えるでしょう。

このようにコストや運用難易度の観点では、クラウド環境のサービスが利用しやすく、有力な選択肢となりそうです。
実際に運用していくことが可能か?を観点に利用するサービスを抽出し、自社に合ったサービスの選定を行うとよいでしょう。

まとめ

顔認証システムを活用することで、ビジネスの効率化のみではなくマーケティング戦略に役立つデータの収集まで行える例をご紹介しました。
個人情報保護法を理解し、自社にマッチした顔認証サービスを用すれば非常に多くのメリットを享受できます。
日本コンピュータビジョン株式会社(JCV)では、クラウド型の顔認証サービスを提供しています。
顔認証システムの導入でお困りの場合は、ぜひご相談ください。

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