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顔認証チケットとは?仕組みやメリット、導入事例まで詳しく解説

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コンサートやイベント会場など、さまざまなシーンで活用が始まっている「顔認証チケット」。紙を使ったチケットや電子チケットでは得られない数多くのメリットがあるので、導入を検討している施設運営者や経営者の方も多いのではないでしょうか。

顔認証チケットの導入を成功させるためには、メリットやデメリット、導入事例などを事前に確認しておくことが大切です。そこで今回は、顔認証チケットの仕組みやメリット、実際の導入事例などについて、詳しく解説していきます。

近年活用の幅が広がっている顔認証チケットとは?

「顔認証チケット」とは、顔認証システムを活用したデジタルチケットのことです。他のチケット形態と比べさまざまなメリットがあり、利便性も高いことから各所で導入が進んでいます。

まずは顔認証チケットの仕組みと活用シーンを見ていきましょう。

顔認証チケットの仕組みとは?

顔認証チケットは、オンライン上でチケットの申し込みと顔画像の登録を同時に行い、チケットを取得します。イベント当日は、ゲートを通過した本人の顔と事前に送った顔画像のデータを照合して本人確認を行います。

紙のチケットであれば係員への受け渡し、電子チケットであれば持っている端末のQRコードをかざす、などを行う必要があります。一方で顔認証チケットは何かを受け渡したり持ったりする必要なく、顔認証装置を通過するのみで良いのです。

顔認証チケットの活用シーンとは?

近年活用の幅は広がってきており、コンサートやライブ、テーマパーク、商業施設、展示会など、個人・ビジネスを問わず、多くの人が集まるイベントで活用されています。

顔認証チケットのメリットとは?

顔認証チケットの主なメリットは、次の5つです。

・チケット転売の抑制
・目視よりも本人確認が早い
・人件費削減につながる
・非接触で入場できる
・QRコードをかざす必要がない

それぞれ詳し見ていきましょう。

チケット転売の抑制

顔認証チケットはスマホでチケットの情報を管理するため、本人以外の手に渡ることがありません。そのため、企業側には「チケット転売を防げる」という大きなメリットがあります。

事前に氏名と顔を登録するので、「なりすまし」も困難です。登録されている写真同士を照合すれば、別名義の同じ写真も排除することもできます。

目視よりも本人確認が早い

従来の紙チケットによる確認方法では、スタッフがチケットを確認しながら入場者一人ひとりに対応する必要がありました。しかし、顔認証チケットはカメラによる自動照合を行うため、本人確認が早くスムーズな入場が実現します。

入場に時間がかかっていた大規模なイベントも、顔認証チケットを導入すれば、本人確認に要する時間を大幅に短縮することができるでしょう。

人件費削減につながる

顔認証チケットは、利用者が入場するときにカメラが自動で本人認証を行うため、入場ゲートに配置する人員が少なくて済みます。

今までの大規模イベントでは、ゲートに多くのスタッフを配置する必要がありました。各スタッフが処理できる人数には限りがあるため、多くの入場者を確認しようとすると必然的にスタッフの数は多くなってしまうのです。

しかし顔認証システムを使えば、入場者1人につき数秒で本人認証が完了します。そのため、入場にかかる時間の短縮だけではなく、今までのように多くの人員を動員しなくてよくなります。結果、人件費を削減できたり、他の場所に人的リソースを割けたりするようになるでしょう。

非接触で入場できる

顔認証は非接触での本人認証なので、スタッフがチケットを受け取って本人を確認する必要がありません。

新型コロナウイルスの蔓延を機に、さまざまな場面において非接触の仕組みを作る動きが加速しました。紙のチケットではチケットをスタッフに手渡して、確認後再び利用者に返すという手順が必要です。しかし、顔認証チケットを導入すれば、利用者がカメラに顔を向けるだけで本人確認が完了するため、スタッフと一切接触することなく会場に入ることができます。

非接触で本人確認ができる衛生的な顔認証チケットは、コロナ禍やアフターコロナにおけるイベント開催などでも有効でしょう。

QRコードをかざす必要がない

顔認証チケットはカメラに顔を向けるだけのいわゆる「顔パス」でゲートを通過できるため、入場時における利用者の負担を軽減することができます。一般的な電子チケットのように、QRコードをかざす必要はありません。運営側だけではなく、利用者の負担も軽減できるのも、顔認証チケットの大きなメリットといえるでしょう。

顔認証チケットのデメリットとは?

メリットの多い顔認証チケットですが、次のようなデメリットも存在します。

・誤認証してしまう可能性がある
・プライバシーへの配慮が必要

それぞれ詳しく見ていきましょう。

誤認証してしまう可能性がある

顔認証システムは、稀に顔データを誤認証してしまう恐れがあります。顔認証は目や鼻、口といった顔のパーツで本人を認証するため、顔が似ている人を誤って本人だと認識する可能性はゼロではないのです。

例えば、双子の顔です。顔がそっくりな双子は、人間の目ではなかなか違いが判別できないくらい瓜二つなこともあります。顔認証システムもその仕組み上、そっくりな双子を誤認証してしまう可能性がないとは言い切れません。

ちなみに顔認証システムによっては、マスクやメガネなどを着用していると本人でも判別を誤ってしまうものも存在します。システムを選ぶ際には認証の精度に注目する必要があるでしょう。

プライバシーへの配慮が必要

顔認証チケットは利用者の顔情報を預かることになるため、情報の管理徹底が求められます。また、顔写真登録時には、プライバシーについて利用者に同意を得る必要もあります。

顔は、紙のチケットやパスワード、一時的に発行されるQRコードなどとは違い、簡単に隠すことも変更することも難しいものです。そのため、顔情報を提供してチケットを発券してもらうことに抵抗がある方もまだ多いかもしれません。
プライバシーへの配慮がなされていることや徹底したセキュリティにより情報管理していることを利用者にアピールすることが必要でしょう。

顔認証チケットの導入事例

ここからは、顔認証チケットの導入事例を詳しくご紹介していきます。顔認証チケットの導入を検討している方や、実際どのように顔認証チケットが活用されているのかを知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

顔認証チケットで「顔パス」が可能に:A劇場

コロナ禍での紙チケットの「もぎり」において、客とスタッフの距離に課題を感じていたあるイベント会社では、非接触での認証を実現するために顔認証チケットを導入しました。非接触認証なので衛生面における心配もなく、コロナ禍でのイベント開催にも役立っています。

顔認証チケットはデジタルチケットであるにも関わらず、イベント特有のスタンプが押印される仕組みとなっています。そのため、紙のチケットと同じように思い出を残すことも可能です。

レジャー施設への入場がスムーズに:Bパーク

チケットの購入から入場までが非接触で完了する点に着目して、顔認証チケットの導入を決めたレジャー施設もあります。利用者は受付の端末に顔を向けるだけで入場できるため、入場時の時間も大幅に短縮されました。

同施設では、紙のチケットよりも顔認証チケットの代金を500円安くすることで、利用の促進も図っています。代表者1人の登録で、複数人のチケットを購入することも可能です。

アフターコロナに備えて顔認証チケットを導入しよう

顔認証チケットには、「チケットの転売防止」や「人件費削減による生産性向上」といったメリットがあります。非接触による本人認証ができるため、コロナ禍で導入する企業や施設は今後も増えていくでしょう。ただし、運用後の思わぬトラブルを防ぐために、メリットやデメリット、導入事例を確認しておくことも大切です。

JCVでは、精度の高い顔認証開発キット「顔認証SDK」を提供しています。「顔認証SDK」は既存の設備などにも顔認証を実装できるため、さまざまなシーンでの活用が可能です。アフターコロナに備えて、JCVの顔認証開発キット「顔認証SDK 」の導入をご検討ください。

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