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パスワードレス認証のメリットとデメリットとは?効果的に活用するポイントを解説!

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システムやWebサービス等を利用するためには、多くの場合に正規の権限を持つ人物であることを証明するための認証作業が必要となります。
従来のID/パスワード認証ではセキュリティや効率の面で課題が残ることから、近年ではパスワードレス認証も多くの企業で採用されています。

しかし、パスワードレス認証のメリットとデメリットをしっかりと理解していなければ効果的な運用は難しいでしょう。
セキュリティや効率が高まることを期待して導入するケースが多いですが、注意するべきデメリットも把握することで自社にマッチしたシステムの選定や導入を推進することに繋がります。

この記事では、パスワードレス認証のメリットとデメリット、効果的にパスワードレス認証を運用するためのポイントを解説します。

パスワードレス認証とは

パスワード文字列を使わず、他の手段で本人であることを認証する仕組みを「パスワードレス認証」と呼びます。

パスワードレス認証の種類

生体認証
個人の生体的特徴を用いて認証を行います。
指紋認証、顔認証、虹彩認証、声紋認証などが代表的です。
生体認証は、個々の固有の特徴を使用するため、高いセキュリティを実現しやすい方法です。

セキュリティトークン
物理的なセキュリティトークンやソフトウェアベースのトークンを用いた認証です。
ワンタイムパスワードを生成するトークンや、特定のデバイスに紐づけられた認証アプリなどが含まれます。

・電子メールやSMS認証
ユーザーに一時的な認証コードを電子メールやSMSで送信し、それを入力させることで認証を行う方法です。
二要素認証の一環として使用されるケースが多くあります。

様々なサービスやシステムを活用する現代のビジネス環境では、盤石なセキュリティ対策が必要不可欠であり、その上で業務の効率化を推進する必要もあります。
パスワードレス認証によりセキュリティと効率の両方を向上させることを期待できます。

▶️ 参考記事「パスワードレス認証とは?パスワード認証の課題をまとめて解決する仕組みを解説

パスワードレス認証のメリット

パスワードレス認証によるメリットを解説します。

セキュリティの強化

従来のパスワード認証では、単純な文字列や誕生日など、推測しやすい情報を利用してしまい、これがセキュリティの脆弱点となる問題がありました。
パスワードレス認証では、生体認証、モバイルデバイス、セキュリティトークンなど、より複雑で安全な認証手段を用います。
これにより、クラッキングやフィッシング攻撃のリスクを大幅に減らすことを期待できます。

認証作業の効率向上

パスワードレス認証により認証プロセスを簡素化し、効率を高めることに繋がります。
ユーザーはパスワードを覚える必要がなく、入力する手間も省けます。
生体認証を用いる場合は、認証機に生体情報を読み取らせるだけで認証が完了するため数秒で認証可能です。
この迅速さは、特に頻繁にログインが必要なビジネス環境で大きな利点となります。

アカウント管理のシンプル化

従来のパスワードベースの認証では、複数のアカウントに異なるパスワードを設定し、定期的に更新する必要がありました。
パスワードレス認証ではこのような複雑な管理作業が不要となり、ユーザーの負担が大きく削減されます。
また、管理者側もパスワードリセット対応や問い合わせ対応の負担がなくなり、本来の業務に注力することが可能となります。

パスワードレス認証を活用することで、従来のパスワード認証の課題を広くカバーすることができます。業務効率化にも繋がるため、多くの企業が導入を進めていると考えられるでしょう。

パスワードレス認証のデメリット

基本的にはメリットの多いパスワードレス認証ですが、注意しておきたいデメリットも存在します。

パスワードレス認証システムの導入・運用

パスワードレス認証を実現するサービスを活用する場合、自社環境内で独自に実装する場合、それぞれで導入コストや運用コストがかかります。
通常のパスワード認証はシステムのデフォルトで使えることがほとんどであるため、パスワードレス認証を導入するために一定の追加コストが発生することを念頭に置く必要があります。

パスワードレス認証情報への不正アクセス

セキュリティトークンやメールアドレスなど、パスワードレス認証に使用している認証デバイスや情報へ不正アクセスが行われた場合、システムは無防備な状態となります。
生体認証であればそのようなリスクを大幅に削減できますが、スマートフォン等を利用する場合は別途紛失対策などを講じる必要があります。

デメリットを正しく把握し、自社へ導入する際の検討や適切な運用設計を行いましょう。

パスワードレス認証の効果を高める顔認証

パスワードレス認証のセキュリティを高め、さらなる効率化を実現するには顔認証の導入が有効なアプローチのひとつと言えます。

顔認証の強み

・非接触性
顔認証は非接触型の認証方法であり、物理的な接触が不要です。これにより、デバイスの衛生的な使用が保証され、特に公共の場所や多くの人が利用する環境での利便性が高まります。

・迅速な認証
顔認証の認証速度は年々向上しており、顔を向けるだけで即時に認証が完了するものもあります。認証作業にかかる手間をほとんど0にすることで、効率向上はもちろん心理的な負担の削減も期待できるでしょう。

・高度な精度とセキュリティ
顔認証の精度も急速向上しており、認証に失敗するケースは減ってきています。
認証情報の偽装も極めて困難であることから、高いレベルのセキュリティを実現できます。

・利便性
顔認証は、特別な知識や操作を必要とせず、直感的に使用できます。
導入直後の混乱や問い合わせを削減し、スムーズに運用開始することが可能です。

シングルサインオンと組み合わせることでさらなる効率化

シングルサインオン(SSO)システムと組み合わせることで、さらなる効率化が期待できます。
シングルサインオンは、ユーザーが一度の認証で複数のサービスやアプリケーションにアクセスできる仕組みです。
このシステムに顔認証を組み込むことで、ユーザーは迅速かつ簡単にアクセスできるようになります。これは、特に大規模な組織や多様なシステムを使用する環境での時間節約と効率向上に寄与します。

▶️ 参考記事「シングルサインオン(SSO)とは?認証方式とその仕組み、安全性を高める方法を解説

顔認証は比較的新しい生体認証ですが、他の生体認証方式にはないメリットがあります。
これにより、企業のセキュリティや効率は大幅に向上することを見込めるのではないでしょうか。

パスワードレス認証でセキュリティと効率の向上を目指そう

セキュリティ意識が高まり続ける現代では、些細なセキュリティホールから発生するセキュリティ事故であっても致命的なダメージを被る恐れがあります。
100%安全なセキュリティ対策は事実上困難と言えますが、多くの従業員が日々行う認証作業を強化する方針は有効な手立てと言えるでしょう。
パスワードレス認証を実現する複数の方法のうち、顔認証は特に効果を見込みやすい選択肢です。
ログイン時の認証はもちろん、オフィス内の入退室管理や来客対応にも応用できる柔軟性は、顔認証システムならではのメリットと考えられます。

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